2024.11.17 日本ベジタリアン学会第24回大会(前編)

こんにちは。本日もご訪問頂きありがとうございます。
Instagram では毎日更新しておりますが、ブログ更新は随分滞っておりました。
2024年11月現在、本業である高校の硬式野球部寮母で寮メシと
就労支援B型のグループホームの利用者さんへ夕食提供をほぼ毎日提供しつつ、
NPO法人日本ベジタリアン協会の事務局長代理として、事務局業務と
ベジタリアン・ヴィーガンJASの認証機関としての事務局業務を務めております。

本日11月17日に日本ベジタリアン協会にて毎年恒例の第24回日本ベジタリアン学会大会が行われ、
今年は主催者側として携わらせていただきました。

日本ベジタリアン学会は日本学術会議協力学術研究団体として菜食、および菜食に関わる領域
(健康、栄養、医学、環境、社会、生活、倫理等)の学術研究の発展に資することを目的とする団体として
NPO法人日本ベジタリアン協会の支援のもと2000年に発足しました。

今回は6名の一般講演と、特別講演として、ローヴィーガン(生菜食)の研究家であり、
日本ベジタリアン協会副代表でもあるいけやれいこ先生の講演がありました。


大会での講演の概要を自分の備忘録も兼ねて紹介します。

1.おいしさを追求した植物性素材のご紹介
不二製油株式会社 開発企画推進室 今村様

不二製油様は大豆たんぱくなどの植物性油脂、大豆加工素材など
日々刻々と変わる市場のニーズ、そして未来へのシーズを捉えた研究開発を行っておられ、
技術開発を中核に捉えた経営を推進しているBtoB企業です。

大豆には三大栄養素のたんぱく質、炭水化物、脂質がバランスよく含まれており
低脂質、低糖質、高たんぱくであり、血中コレステロール値を低くする役割が期待できます。
生産時の二酸化炭素排出量は牛に対し85分の1、生産量の水消費量も8分の1と、環境に優しい植物といえることを
紹介してくださいました。


今回は不二製油様のGOOD NOONという植物性新ブランド も紹介されておられました。
GOOD NOONのコンセプトは「未来を守るやさしさと、未来に続くおいしさを」。

”GOODNOONが目指す世界
GOODNOONが提供するのは、おいしくてわかりやすい植物性食品。
植物性食品の可能性を追求することで、人と地球の健康を考え、選択肢を増やし、新たな時代の食のスタンダードとして、誰もが心から食事を楽しめる世界を実現する、それがGOODNOONの想いです。”  GOOD NOON 公式サイトより引用

GOOD NOONには
美味しさや食感にこだわり、ほぐれやすく噛み応えのある次世代の大豆ミート「プライムソイシリーズ」や
植物性食品の物足りなさを克服し満足感を表現する大豆たんぱくのだし「MIRA-Dashiシリーズ」、
バターのように濃厚ながら口どけあっさりの大豆由来の豆乳クリームバター「ソイレブール」、
コクと優しい味わいでフルーツによくあう「プラントベースチョコレート」などがあり、
日々の食生活を満足でき、なおかつサステナブルな食の未来の研究をこれからも続けていくとのことでした。

(個人的にGOOD NOONの商品の魅力を感じ、また不二製油様の企業としての研究の素晴らしさを体感し、長文になりました。)

2.ネパール人上位カーストを対象とした摂取食物の比較
中京大学スポーツ科学部 中西先生


ネパールにて2023年2月から3月まで実施した調査をもとに
子どもから青年までのベジタリアンとノンベジタリアンの比較調査の講演をされておられました。
摂取食物頻度を上位カーストのベジタリアンとノンベジタリアンで比較したところ、
主食の米は差が検出されず、男子は水牛の乳を1週間以内に摂取したベジタリアンが優位に多く
オレンジを毎日摂取したノンベジタリアンが優位に多い、
また女子においてはコンニャクイモを毎日摂取したベジタリアンが優位に多く、
パイナップルは毎日摂取したベジタリアンが優位に多い、1か月以内に摂取したノンベジタリアンが優位に多い
にんじんとキャベツは毎日摂取したノンベジタリアンが優位に多く、1週間以内に摂取したベジタリアンが優位に多いという結果
ということを講演されておられました。

3.災害時の食の多様性の確保~ビーガン・ベジタリアンの観点から~
宇都宮大学共同教育学部 長谷川先生


災害支援として避難所において災害時の食の多様性の必要性を感じた経験から
備蓄する非常用食品や避難所でのベジタリアン、ヴィーガンなどの食の対応について講演されておられました。
備蓄する保存食セットには7年保存のアレルギー対応はあるものの、ベジタリアン・ヴィーガンに対しては対応がなく、
各自治体においてもそのような特別な対応はみつからず。
唯一ある愛知県には県のマニュアルには対応があったがベジタリアン・ヴィーガンへの対応としては薄く
特別な対応を、といっても「たんなるワガママでは?」と取り出され、
現実には支援物資でベジタリアン・ヴィーガンへの対応は難しい状況を教えてくださいました。

そんな中、能登地震において避難所で炊き出しをされた台湾を拠点とする「慈済基金会」の日本支部や
NPO法人 ADRA JAPANはアルファ米の炊き込みご飯をはじめ、ベジタリアンメニューを提供されている例を紹介くださいました。

個人的な感想として、海外ではスタンダードとして対応ができることを知りました。
災害のときこそこのような特別支援は必要だと切に感じました。
日本は寄り添うことを得意とするけれど、もっともっとベジタリアン・ヴィーガンへの理解が必要だと感じました。

4.環境イベントでの活動報告について
認定NPO法人日本ベジタリアン協会 山田様

「夏休みわくわくお助け隊」「ECO縁日」など環境イベントで協会ブースを担当され、
子ども達に菜食について興味をもってもらう取り組みをイベントを通じて取り組まれておられたことを紹介されていました。
実際にベジタリアンレシピを親子で一緒に作ってもらう、大豆ミートは知っているけれど使ってみて体感してもらう、
興味が湧くような工夫をしながら、理解を深める活動を行っておられたことを報告されておられました。

個人的な感想として、子どもの時代からベジタリアン・ヴィーガンの食や環境について学ぶことで
これからの多様性にも柔軟に生きていける、寄り添える心を育むことがこのイベントを通じて
子ども達がこれから成長していく中でひとつのきっかけとなればいいなと思いました。

(後半部分については、また改めて報告致します)
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