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先日11月19日(日)に所属する日本ベジタリアン学会の第21回大会に参加致しました。
この大会は今年2023年9月1日に新しく移転した、日本ベジタリアン協会のカンファレンスルームにて
開催されました。
日本ベジタリアン学会は2000年5月28日に菜食及び菜食に関わる領域(健康、栄養、医学、環境、社会、生活、倫理等)の
学術研究の発展に資することを目的とする学術研究団体として
日本ベジタリアン協会の支援のもと発足され、
毎年11月に大学教授先生などのベジタリアンの研究講演を行っています。
今年2023年は6名の一般発表と2名の先生方の特別講演がありました。
①NPO法人日本ベジタリアン協会・大阪公立大学大学院 橋本晃一先生講演。
ウェルビーイング、メンタルヘルスにおける菜食(ベジタリアン・ヴィーガン)の効果について
ベジタリアン・ヴィーガンの菜食中心のライフスタイルとヨガやマインドフルネスの瞑想を行うことによって
メンタルヘルスの改善や幸福度があがるという研究の発表をされていました。
先生の講演から菜食を取り入れることで心の安寧が保たれるということがわかる発表だと感じました。
②(ウェブから参加)沖縄第一病院 宮城智央先生
☆フレキシブルなベジタリアンについての考察
「ゆるベジ」と言われるフレキシタリアンについて、
より広く人々に浸透できるひとつの手段として、「ダーウィン事変」のアニメを例に発表されていました。
人間とチンパンジーの間から生まれた、チャーリーという青年が
ベジタリアン・ヴィーガンについて素朴な質問を投げかけているのですが、続きが読みたくなりました。
フレキシタリアンについて宮城先生を通してまた深い学びを頂きました。
今回私も僭越ながら一般発表に参加することとなりました。
③ベジタリアンアドヴァイザー 石井ゆかり
☆野菜生活を楽しむきっかけと菜食普及の取り組みについて
私は実体験から得たこれまでの3年間の自身の経験談を話しました。
・アスリードフードサポートで、アスリートのパフォーマンス向上に寄与することができたり、
・農泊でのお母さんの郷土料理を通じて、地域の「そこにあるもの」で「目の前の大切な人のために」食を提供する大切さだったり、
・忙しい毎日を送る人達へ、菜食を積極的に取り入れるために冷凍ストックを作って食事作りのハードルを低くする取り組みだったり。
ベジタリアンではないベジタリアンアドヴァイザーですが、大切なのは、少しずつできることから
まずは野菜を毎日の生活に取り入れましょう、ということを伝えました。
④ベジタリアンアドヴァイザー 村畑啓子先生
☆植物循環(Vegan Cycle)
完全菜食を実践されておられる村畑先生は、福岡で半農半Xという新しいライフスタイルを確立され、
100%植物原料のコンポスト堆肥で自然農栽培のオーガニック野菜を育てておられます。
そのできた野菜を地域コミュニティーで流通させ、循環させCO2の排出量を減らす取り組みをしているそうで、
野菜だけで作ったコンポストは畜肉から排出されるリンがほぼないため、害虫が寄ってこないというお話がとても印象に残りました。
⑤大阪信愛学院大学・ベジタリアン協会会長 高井明徳先生
☆茶に含まれるカテキンと殺菌・抗菌効果について
緑茶に含まれるカテキンの効果について、茶の抗菌作用を煎茶、高級煎茶、番茶、抹茶、ほうじ茶などをサンプルとして
実際にカテキンの抽出実験によって抗菌・殺菌効果を調べた結果を話されておられました。
研究結果により、茶のカテキンには抗菌作用があることの理解が深まったお話でした。
特別公演ではお二方の先生の講演を拝聴しました。
大会長・元大阪青山大学教授・医学博士の古谷昭雄先生による
☆絵本「ヒロ子ばあばの贈り物」にみられる食べ物について
古谷先生監修の絵本の内容を動画で流して頂きました。
優しいヒロ子ばあばのお人柄が伝わり、また旬の果物をわかりやすく伝えてくださっています。
ゆっくりと時間が流れるあたたかい語りとほっこりする絵を観ながら最後には涙がホロリ。
季節の果物とヒロ子ばあばを中心として「命」「家族」「死」について考えさせられた物語でした。
最近では苺も年中販売され、旬がわからない子ども達も多い中、旬の果物を通じて自然と食を学ぶことの大切さを
改めて教えてくださったお話でした。
そして何より自分の人生を最後の瞬間まで自ら考え、納得し充実した人生を生き抜くことの大切さを
古谷先生は教えて下さいました。
まさに今の私の生き方そのもので共感し、これからの門出に背中を押してくださったようで嬉しかったです。
特別公演おふたりめは、
東京衛生アドベンチスト病院健康教育科長・仲本桂子先生による
☆世界のベジタリアン(成人)の栄養摂取量と栄養状態
~肉食者と比較した2000~2020年の系統的レビューより~
世界のベジタリアンと非ベジタリアンの栄養摂取量と栄養状態のデータを
20年間を通じて統計を取った結果を話されておられました。
一部の栄養素が不足しがちである一方、生活習慣病予防の観点からみれば
ベジタリアンの食事パターンが支持されている話を拝聴しました。
ビタミンDとカルシウムがベジタリアン、非ベジタリアン双方に摂取量が低い傾向にありますが
個人的にはサプリメントは使用せず、乾物野菜でカバーすることも選択肢のひとつになってもいいかもしれないと思いました。
今回のベジタリアン学会発表で、プレゼンテーション賞を受賞しました。
光栄な賞を頂き驚きと嬉しさで胸がいっぱいです!ありがとうございます!
この登壇の場を作ってくださった日本ベジタリアン協会、日本ベジタリアン学会のみなさま、
そして、登壇で不安な私に温かいお言葉をかけて下さっていつも励まして下さったいけやれいこ先生、
ありがとうございました。
私ができることは少しずつかもしれません。
それでも菜食を摂る生活習慣を続けることで得られる健康やパフォーマンス向上ができることを
自分の持ち味である「料理のハードルを低く」しながら、多くの人に伝え続けたいと思います。
asumeshilab.com