今日は『ゴールデンエイジ』と呼ばれる時代について、
スキャモンの発育・発達曲線を使ってお話をしたいと思います。
この表、学生時代に一度は保健体育の授業でみたことがある人多いのではないでしょうか。
スキャモンさんというアメリカの医学者が1920年代後半に発表したことからこの名前がついているそうで、
それぞれの年代には4つの発達型があります。
では、ゴールデンエイジと呼ばれるそれぞれの時期について説明しますね。
5歳~8歳頃 プレ・ゴールデンエイジ
プレ・ゴールデンエイジと呼ばれる5歳~8歳頃は、神経系が著しく発達する時期。
脳から体内に神経回路がどんどん張りめぐらされていく大切な時期でもあります。
この時期の子どもたちは、集中力が長続きせず、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴をもっていますが、
決して集中力がないのではなく、神経回路にさまざまな刺激を与えて、
その回路をさらに張りめぐらせて神経系の配線をより多様に形成していこうとする、自然な欲求、そのまんまなんです。
鬼ごっこやボールを使ったさまざまな遊び、それらの動きひとつ一つが、後に身体の中に刻まれていくんだそうですよ。
好奇心旺盛な時期。たくさん遊ばせてくださいね!
次に訪れるゴールデンエイジを生かすも、殺すもこの時期次第といってよいでしょう。
この時期は多種多様な動きを含むさまざまな運動を経験させることが大切です。
スポーツ・運動の基礎づくりが多面的であればあるほど、
後に専門的なスポーツを行った時に覚 えるのが早いと言われています。
9歳~12歳頃 ゴールデンエイジ
9歳~12歳頃になると、神経系の発達がほぼ完成に近づき、形態的にもやや安定した時期に 入ります。
この時期は、身体の動作の習得に対する準備態勢も整い、
さらに脳・神経系の柔らかい性質も残しているという非常に得意な時期として位置づけられています。
一生に一度だけ訪れる「即座の習得」を備えた動作習得にとって、もっとも有利なこの時期は、
「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、世界中どこでも非常に重要視され、
スポーツ・運動に 必要なあらゆるスキル(注:単なる技術とは異なる)獲得の最適な時期として位置づけられています。
しかし、この「即座の習得」は、それ以前の段階でさまざまな運動を経験し、神経回路を形成している場合にしか現れません。
だからこそ、プレ・ゴールデンエイジも重要となるのです。
※スポーツを始めるには基礎の習得が早い最適の時期!
小学校中学年までに野球やサッカーを始めることはそんな意味があるんです。
13歳~16歳 ポスト・ゴールデンエイジ
ゴールデンエイジを過ぎると、発育のスパート期(思春期スパート)を迎えます。
骨格の急激な成長は、支点・力点・作用点に狂いを生じさせるため、
新たな技術を習得するには不利な時期となり、今までにできていた技術が、一時的にできなくなったりすることもあります。
しかしこの時期はスキャモンの発達曲線を見ると、生殖器型、ホルモンの分泌の著しくなる時期です。
とくに、男性ホルモンの分泌は速筋線維の発達を促し、
それまでに身につけた技術を、より速く、より強く発揮することを可能とさせてくれます。
スキャモンの発育・発達曲線をもとに、それぞれの時期にあった最適なトレーニングとして、
小学生の間は、神経系が発達するので基礎の動きをしっかりと覚える。正確な動きをしっかりと身につける。
中学生では、呼吸・循環器系が発達するので、心拍数をあげる持久走に取り組む。
高校生では、男性ホルモンによる骨格筋の形成が発達するので、パワー系の筋力トレーニングに取り組む。
中学生のうちは成長期で骨や筋肉に負担がかかることもあるので
筋トレは高校に入ってからのほうが効果があるといいます。
うん、わが子(元高校球児)を見ててそう思いましたね。
身体にさらに厚みができてきたのは高校生になってからでした。
「うちの子はなんでできないの」と思う人もいるかもしれません。
でも、その子のその時期にあった成長がひとりひとりあるんです。
決して焦らず、大きな懐で、ゆっくりとお子さんの成長をみてあげてほしいなぁと思います(*^-^*)
*参考文献
体育の家庭教師わくわくスポーツランド保存版より
asumeshilab.com